日本語の音の秘密(志矢木太陀介)

名付けに役立つ話と日本語の音の秘密を書いていきます。表題の太陽系の図はfreepikより。

海は広いな大きいな〜

 

海は広いな大きいな〜

という皆さんご存知の歌詞の歌があります。

上の写真は以前撮った故郷宮崎の海の写真です。

 

海(うみ)という音について説明します。

海(UMI)の「う」は高さ的には私たちの目線より下にあります。海(UMI)の「み」(MI)の(I)が私たちの住む地上の位置になります。

では、なぜ「うみ」というのか?

ポイントは「うみ」の「み」(MI)にあります。

 

今の私たちの生活を忘れて古代に思いを馳せて下さい。冷蔵庫も当然ない時代、おそらく毎日家族のためにご飯を食べさせないといけない。

山や海や食べ物がありそうな所を毎日動いていたと思います(父親か母親かは分かりませんが)代表的なものが各地で貝塚が発見されている海の貝だったと思います。それと魚を釣る(採る)。

生活そのものを支えてくれる存在、それを海(うみ)と名付けました。(UMI)のM音には全知全能の質があります。人間で言うとちょうど60歳前後でしょうか。

世の中の酸いも甘いも知り尽くして、円熟した判断力のある世代。一通りどんな問題でも落ち着いて対処できる時。

 

私たち日本人の主食である、米(KOME)、豆(MAME)、麦(MUGI)、いも(IMO)、加工品ですが味噌(MISO)、山で採れるものを実(MI)と呼びます。

M音には、最終的に実ったものとか、絶対的な要素があります。「まみむめも」と発音して下さい。肺から出た空気を唇で挟み込むように音にします。

赤ちゃんが、「まんま」(MANMA)と食べ物を欲しがるのも、この音を使う時期があります。彼らにとってはエネルギーそのものです。

 

さて、書き出しの話に戻ります。海(うみ)は広いのか?

答えは広くありません。海(うみ)という音は、私たちの生命を支えてくれる食物を与えてくれる万物の長という働きになります。

想像してください。毎日家族に食べ物を採りに行く人達に海(うみ)は広いな〜という余裕があったと思いますか?何も採れない日はひもじさに耐えなければいけない。たくさん採れた時には、もしかしたら干物みたいにしたかも知れませんがとにかく毎日が命懸けだったと思います。

 

一方で海(うみ)を「わた」とも読みます。

上の写真の海はまさに「わた」です。

あまりの大きさに口を大きく開けて「わた」と呼ぶ。

自然の中の海の広さを表現するのに「わた」は良く合います。

このように、本質を表す日本語は時代の変遷とともに(そこには人間の欲が影響しています)選ばれる音が変わってきています。

海(わた)は広いな大きいな〜🎵と歌う必要はありませんが、もし、海を見る事があれば、「広い(わた)だなあー」と声に出して下さい。

見ている景色と音がピッタリ合うと思います。