日本語の音の秘密(志矢木太陀介)

名付けに役立つ話と日本語の音の秘密を書いていきます。表題の太陽系の図はfreepikより。

我が家(わがや)(WAGAYA)

昭和30年代から40年代の頃だと思いますが、「狭いけれども楽しい我が家」というフレーズがありました。

 

わがや(WAGAYA)という音を聞くと、なんとなく明るさを感じると思います。これはA音が3つ並ぶ事の効果です。A音は柔らかさとおおらかさを持ちます。

無条件に住む人を癒してくれるものが我が家(WAGAYA)という音です。

 

これが「家」(IE)になると、家庭の中で家族が対立する働きをします。

家族みんなが「我が家」(WAGAYA)と感じる家は、狭くても広くても楽しい(TANOSII)事になります。

 

40年前に赴任した学校は県内一の校内暴力校で文部省(当時)から基本的生活習慣を確立すべき学校として指定されていました。そうなった原因はいろいろありましたが、生徒の6〜7割が漁師の子供達で、長期の漁のため父親不在の家庭が多い状況でした。

母親と子供だけの時間が多い環境。

当時はカツオやマグロの値段も何十分の一に落ちて、漁師の収入も激減していました。

せめて、学校の教室くらいは「我が家」(WAGAYA)的にしたいと思う意識で学級の運営をしていました。

おかげで楽しいクラスになりましたが、他のクラスの担任からは、あんたのクラスはとにかくうるさいと苦情が来ていました。我が家なのだから、当然そうだろうと思い、申し訳ないと頭を下げていました。私としては、嬉しい事でした。

 

生徒がみんな広いお風呂に入っているような雰囲気が欲しかった。

それが良かったかどうかは分かりません。5年間の教職でしたが、その後も当時の生徒と酒を飲み、被災して大阪に行った時も、大阪に就職した生徒と30年ぶりにお酒を飲みました。

漁師の子達は、みんな酒が強いです(^^)

 

今、家庭(KATEI)内暴力の話を聞きますが、(KATEI)という音は、音の働きとしては命の流れがありません。

我が家(WAGAYA)の明るさが欲しいですね。

 

その家を守ってくれるのが屋根(YANE)という存在、

(YANE)とは、働きで言うと、愛が魔法をかけるという動きになります。

万葉集にも、和歌の中で「家(や)にあれば 笥に盛る飯を 草枕 旅にしあれば 椎の葉に盛る」 

という和歌があり、家の事を「や」と読んでいます。

 

住む所が「や」であって欲しいですね。そこに無償のやさしさがあれば、家族も仲良く暮らせるのでしょうが。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。