日本語の音の秘密(志矢木太陀介)

名付けに役立つ話と日本語の音の秘密を書いていきます。表題の太陽系の図はfreepikより。

「いとしのエリー」「守ってあげたい」童謡の世界など

このブログでは、日本語の訓読みが、おそらく世界で唯一、太陽系の法則(成り立ちも含めて)を踏まえている奇跡的に成り立った言葉であり、幾たびもの危機を乗り越えながら私たちの世代に伝えられてきたという話をしています。

 

心に残る歌はその人それぞれにあると思いますが、歌の歌詞の中には訓読みを大事にしているものが多く見られます。

 

私は昭和30年代の生まれですが、例えば『守ってあげたい』という松任谷由美さんの歌詞の一節に

「初めて 言葉を交わした日の
その瞳を 忘れないで いいかげんだった 私のこと 包むように 輝いてた」

 

また、サザンオールスターズの名曲『いとしのエリー』の歌詞の一節に

「泣かした事もある  冷たくしてもなお よりそう気持ちがあればいいのさ 俺にしてみりゃ これで最後のLady」

というものがあります。

どちらも、多くの日本語の訓読みの言葉が使われています。

上の例に限らず、思わず口ずさむ心に響く歌にはかなりの訓読みの世界が残っていると思います。自分の気持ちを歌にする時に、訓読みの世界が役にたつ事を自然に知っているからだと思います。

 

また、童謡にも多く訓読みの言葉が伝えられています。この季節だと

「母さんが夜なべをして手袋編んでくれた 木枯らし吹いちゃ 冷たかろうて せっせと 編んだだよ」

という母親の愛を歌った唄があります。

※「せっせと」の「せ」は自分も辛いけども、子供のために心を励まして取り組むという働きがあります。

 

私たち日本人は歌を歌うときに訓読みの日本語が心に響く事を本能的に知っています。

 

国会答弁などが全く心に響かない事は多くの国民が感じていると思います。以前、小泉首相が「自民党をぶっ潰す!」という言葉に乗せて、郵政民営化を促進しました。ここは政治を語る場ではありませんが、このように訓読みの言葉を使うと、人々に伝わりやすい(是非はともかく)ものです。

 

童謡の話を書きましたので、もう一つ。

赤ちゃんをあやすときに

ねんねんころりよ」という歌があります。

「ね」は相手の心に魔法をかける音です。だから相手から「ねぇ」と言い寄られたら気をつけないといけません(笑)。そのために「耳」(MIMI)というもので、良いもの悪いものを聞き分けなさいとM音を使っています。

「ね」で魔法をかけて、「ん」の闇の世界に連れていく、これを繰り返すのが「ねんねん」という音で、効果が現れて「ころり」と眠るという歌です。

育児に疲れる母親からすると、赤ちゃんにはしっかり寝て欲しい、子育ての疲れも取りたい、だから日本語の「ねんねん」という音を使って助けてもらう。

これは言葉の本質を踏まえたすごい知恵だと感じます。

 

歌はその昔(今も能や狂言の世界にはありますが)

囃子(はやし)(HAYASI)という言葉で読んでいました。今でも祭り囃子という言葉はあります。

「はやし」(HAYASI)という音は時を超えて愛を授けていく働きをします。

 

その意味では作詞をされる方が、その思いを届けるために訓読みの世界を大事にされているのは、やはり日本語の訓読みの世界の素晴らしさを感じておられるからだと感じます。

 

これから先、日本という国はかつてないほどの危機に面するでしょう。既に、知らず知らずのうちにかなり失われた世界があります。人々が気づかないだけで、確実に日本に憧れ、日本を欲しがっているものたちが巧妙に準備していると思います。

それは言葉の(日本語の)微妙な変化にも現れています。今が日本人の踏ん張りどころです。

このブログは言葉について書いていますが、多くの世界で「守ってあげたい」ものたちが現れてくると思います。

 

なぜ、このような素晴らしい日本語が残っているのか、祖先が残してくれた奇跡の財産を、再び見つめ直して、次の世代に自信を持ってもらえるように引き継ぎができればと思います。

 

本日も最後までお読みいただきありがとうございます。