日本語の音の秘密(志矢木太陀介)

名付けに役立つ話と日本語の音の秘密を書いていきます。表題の太陽系の図はfreepikより。

閑話休題「型は美しく 技は心で」

本日は天皇誕生日です。

歴代の天皇の誕生日が全て記念日になれば、125日の祝日が増えます(^^)

 

表題の「型は美しく技は心で」という言葉は、私が学んでいた武術(空手)の流派の開祖の言葉です。

この「美しく」というのは、例えば盆栽の松ではなく、岸壁に立つ松の美しさの事。そして、技は力に頼るのではなく、心で出しなさいというもの。

言葉では簡単ですが、これを身体のレベルまで落とし込むのは至難の業です。

 

私はもともと、武術の才能に恵まれず、

高校時代も、大学時代も、先輩方からお前は身長も低く、手足も短く、視力も悪い、だから他の道を探した方が良いと何度も言われました。

素直な性格なら、先輩方の言葉を受けて他の道(大学の学部の中に身体障害者学があり福祉に興味がありました)を探すのですが、本当に自分は才能がないのか試してみたいと思いました。

 

それからというもの、他の部員の何倍も稽古をしました。部屋に帰っても武術の本を読み、他のスポーツの身体の使い方を研究し、夏休みは18歳で世界選手権の代表に選ばれた地元の先輩の胸を借りて(当然、何本も骨は折れました)稽古。

観戦に行った大会で、何年も連続して世界チャンピオンになった方を見かけたら、すぐそばに駆け寄り、会話する時の言葉の状態や、トイレに行くとその仕草(周りにどれくらいの気を配って動いているか)や、私と体型が近い有名選手を見かけてはその動きや身体の研究をしていました。

 

おかげで、1年生の後半にはレギュラーになり、将来も空手でメシを食うような、ほとんどプロに近い他校の有名選手と戦う事ができました。

 

そこで、思ったのは、人間は才能がなくても、信念を持って徹底して取り組んだら、超一流にはならなくても、一流にはなれるという事でした。「超」のつく方は、いわゆる生まれ持っての資質のある方です。

大事なのは「超」まで行かなくても、そこを目指して取り組む事でした。

よく「乗り越えられない壁は来ない」というスピリチュアル系の方がいますが、私は乗り越えられない壁は来ると思います。

ただ、まずは乗り越えようとしてみないと本当のところは分かりません。

才能がないからこそ乗り越えようとするチャンスは与えられます。

「百聞は一見にしかず」と言いますが、

私は「百見は一触にしかず」と教わりました。表題の言葉を教えて下さった方(故人)の承継者はNHKの番組でも現代の武蔵として紹介された文武両道の達人です。

 

ある時期、この達人が九州に指導に来られた時に、私がこの達人に稽古台で技を出す役をしていました。

そこには空手5段以上の方が40人ほどいました。

 

これこそ「一触」で、身体で味わったものしか分かりません。一度、その達人になぜ私が指名されたか伺ったところ、「お前が一番俺の技を味わいたいと思っただろう?20歳代の時にいい稽古してたな、今お前に必要なのは経済力だな」初めての出会いと手合わせで、そこまで読まれていました。

達人にはおいそれと近づくものではありません(^^)

 

大学時代に、歴史上の武術家はどんな動きでどんな技を使ったのか興味がありましたが、この達人にすべて見せていただきました。達人は達人を知るというやつです。どの道を進むのであれ、道を極める事は素晴らしいです。

 

今、私は誰も気づかない達人を探すのが好きです。ごくごく普通に見える方の中にすごいなぁと感じる人がいます。

それは大人、子供、肩書、金持ち、貧乏一切関係ない世界です。

最近は、今、住んでいる家の隣の土地(造成されて今から家が立ちます)の中に、ポツンと咲いている黄色い花があって、その花を見ると、誰も植えていない、誰も見ていないのに咲いているその姿に、頭が下がります。「お前は偉いな〜、誰も期待してないのに美しく咲いてる」

 

本日は日本語の音の世界ではありませんが、取り止めのない話を読んでいただきありがとうございます。