人生、山あり谷ありと言います。
一般的には「山」が人生の登り調子、「谷」が下り坂のような捉え方をされていると思います。
音の世界で解説すると、「やま」(YAMA)は確かに登りきって実りをもたらす次元を表します。
そこには、母親(Y音)が子供を包むような無償の愛があります。
一方で、「たに」(TANI)という音の働きは人生の下り坂ではありません。
この音は、上(A)から下(I)に降りていく音の次元ではありますが、その過程は(AI)に包まれています。何の澱みもありません。
「やま」の愛がY音の母親的な愛なのに対して、「たに」の愛はT音の父親的な愛になります。
ライオンが崖から我が子を落として鍛えるという話があります。まさに、私達は人生の谷の時にこそ鍛えられます。さまざまな体験から学び、謙虚さや素直さの必要性を知ります。また、感謝の気持ちを知る事ができます。
「たに」(TANI)は父親的な愛に背中を押されて、下に向かって自分の足で走りながら、T音の創造的な力を発揮する時でもあります。
つまり、「人生山あり谷あり」の
「谷」の時とは悲しむべき時ではなく、私達が、力をたがやし、能力を発揮する成長の機会です。
もちろんT音の孤独な世界もあるので、一人静かに取り組む時間が必要です。
その意味では、人生は登りも下りも、それぞれに愛に包まれているという、人生を祝う言葉、
それが「人生、山あり谷あり」だと、日本語の訓読みの世界は表しています。
日本語(訓読み)を作って、残してくれた祖先に改めて感謝します。
本日も最後までお読みいただいてありがとうございます。