日本語の音の秘密(志矢木太陀介)

名付けに役立つ話と日本語の音の秘密を書いていきます。表題の太陽系の図はfreepikより。

人生、山(YAMA)あり谷(TANI)あり

人生、山あり谷ありと言います。

 

一般的には「山」が人生の登り調子、「谷」が下り坂のような捉え方をされていると思います。

 

音の世界で解説すると、「やま」(YAMA)は確かに登りきって実りをもたらす次元を表します。

そこには、母親(Y音)が子供を包むような無償の愛があります。

 

一方で、「たに」(TANI)という音の働きは人生の下り坂ではありません。

この音は、上(A)から下(I)に降りていく音の次元ではありますが、その過程は(AI)に包まれています。何の澱みもありません。

「やま」の愛がY音の母親的な愛なのに対して、「たに」の愛はT音の父親的な愛になります。

ライオンが崖から我が子を落として鍛えるという話があります。まさに、私達は人生の谷の時にこそ鍛えられます。さまざまな体験から学び、謙虚さや素直さの必要性を知ります。また、感謝の気持ちを知る事ができます。

「たに」(TANI)は父親的な愛に背中を押されて、下に向かって自分の足で走りながら、T音の創造的な力を発揮する時でもあります。

 

つまり、「人生山あり谷あり」の

「谷」の時とは悲しむべき時ではなく、私達が、力をたがやし、能力を発揮する成長の機会です。

もちろんT音の孤独な世界もあるので、一人静かに取り組む時間が必要です。

 

その意味では、人生は登りも下りも、それぞれに愛に包まれているという、人生を祝う言葉、

それが「人生、山あり谷あり」だと、日本語の訓読みの世界は表しています。

日本語(訓読み)を作って、残してくれた祖先に改めて感謝します。

 

本日も最後までお読みいただいてありがとうございます。