人間の手は、その甲側が表、手のひら側が裏という話をしました。
簡単にいうと、シンプルな方が表、複雑な方が裏。
人間の人生で言うと、赤ちゃんの時代が表、成人してさまざまな体験を重ねていくと裏でしょうか。
人間の身体で言うと、背中側が表、お腹側が裏。
手の例で言うと、表(甲側)は静の世界、裏(手のひら側)は動の世界になります。
動であるために、工夫して、ものづくりして、さまざまな世界を作ってきます。
複雑にもしてきます。
表の背中(静の世界)は、無言で子供に親の心を伝えます。裏の腹側(動の世界)は子供の教育やしつけ、他人との比較、説教など、とにかく良く働きかけます。
教育の世界は時に背中で伝える事も大事な気がします。「○○しなさい!」ばかりでなく、「○○する自らの姿を見せる」‥
母音の世界で言うと、静の世界が「あ」(A)、動の世界が「う」(U)や「お」(O)になります。
人間の世界は常に静→動への動きを加速させています。
ITの時代、AIの時代になると、あまりにスピードが増して、動の世界を加速させてきた人間そのものが置き去られていく様になります。
置き去られた私たちはどこに行くのか、
賢い(KASIKOI)ひとならば、裏に行きすぎた時代を表でコントロールできる様な生き方に変えていく事が出来る気がします。
緩やかに生きる事は人間に与えられた能力であると思います。
人間は表面は左右対称ですが、内臓は左右対称ではありません。
対称と非対称を持ち合わせた私達だからこその生き方がある気がします。
まずは、スピード化のあまり、浅くなった日常の呼吸を深くして、身体のリズムを整える事が知恵の一つであると思います。
そのために、日本語の訓読みの世界は、結構、役に立ってくれそうです。
祖先からの偉大なプレゼントです。
(※写真は今、読んでいる本です。まだ、途中ですが、とても面白い視点でいのちについて書かれています。一部日本語の音についても書かれていて、その内容に励まされました。)