日本語の音の秘密(志矢木太陀介)

名付けに役立つ話と日本語の音の秘密を書いていきます。表題の太陽系の図はfreepikより。

閑話休題 珈琲(ちょっと不動産)

たまたまネットで見かけた、リピート率98%というコーヒー豆のお試しセットを購入しました。

 

行きつけの珈琲店に持ち込み早速、サイフォンで淹れたりハンドドリップで淹れたりして、3人で試飲してみました。

 

豆と一緒に送られてきた資料も大変立派だったのと、オーナーが一所懸命に焙煎している事、どうしたら美味しく飲めるかの資料もたくさんついてました。

何より地域の活性化のために頑張っている企業の姿勢が記事になっていました。

 

実は飲む前から悲しい気持ちが溢れてきていたのですが、予想は当たりました。

結論から言うと、資料は100点、味は50点(大手チェーン店は味は20店)くらいでした。珈琲豆は新鮮で質の良いものを使っているのに風味がない。

マニュアルに美味しく飲む方法も書いてありましたが、そもそも風味がないものはどうしようもありません。

行きつけの珈琲店で同じ種類のコーヒー豆で淹れてもらい、取り寄せたコーヒーと並べてその違いを調べました。取り寄せた豆は価格は1.6倍しました。

 

リピート率98%のコーヒー豆だったので、私はリピートしなかった2%の方に興味を持ちました。リピートしない人はおそらく多くの事に気づいています。

その声を拾いきる謙虚さがあるかないかで、今後の運命は決まると感じました。

 

なんでもそうですが、本当の本物は地味です。自慢やアピールをしません。

 

『クレームは宝です。』

以前、とある不動産会社で女性社員と2人で約2000室のアパートやマンション、その他駐車場の管理をしていました。

入居者の審査、契約書のチェック、家賃の管理(請求や督促)、家主への支払い、報告書送付、建物維持工事の手配や立ち会い、入居者のクレーム処理、退去後の敷金清算やリフォームをたった2人でこなしていました。多い時は1ヶ月に300室ほどの入退去があるので、とんでもない世界です。プラス、新しい管理物件の仕入れを東京や大阪のディベロッパーへ1人で営業に行ってました。

一番多い時は、その政令指定都市(今は)でできる県外オーナーの9割の建物の管理(家賃保証)をいただきました。

 

何故、これだけの量をこなせたかと言うと、クレームを大事にして、将来的に起こるであろうクレームが起きないように努力してきたからです。

だから少数の人間でできます。

それと、協力業者の方にお支払いする金額(単価)を年々増やしていきました。

その代わりに、仕事の質の高さや注意力を求めました。

儲けてもらい、質を高めるの繰り返しです。

 

管轄警察の派出所にも、ビール券(三交代制なので3日連続で)を届けて入居者の安全管理をお願いしました。毎年行っているので、管理物件での事件や事故の時にすぐに駆けつけていただき、連絡もしてもらいました。

 

だから、何も電話がない(90%以上がクレーム)時は、女性社員は昼過ぎには帰っていいよと言っていました。遊ぶなり、デートするならご自由にと。ただ、いろんな建物のゴミ置き場の作り方や入居者への注意書き、ちょっとした工夫を目に入れて置くようにだけ伝えました。

(今、その会社は全国展開して、当時の何十倍、何百倍の規模になっています。)

 

話は大きくずれてしまいましたが、ビジネスで一番怖いのは、物言わぬクレームです。

人間は(企業は)とかく収益を上げる事だけに目が行きますが、その会社の社風を育てるのは、目に見えない部分であるとつくづく思います。

だいたい、トップが腐ってくると社風も澱み(YODOMI)ます。

 

とある車の世界的メーカーの社長が、この数年、批判的な副社長を全て排除して、イエスマンだけで固めたニュースを目にしました。この会社の運命が見える気がします。

人間が心の中の善意の気持ちを失ったらどこまでも転げ落ちていきます。

 

先程のコーヒーの話に戻ると、味覚は人それぞれという言葉で、本質を誤魔化している気がしました。珈琲の世界は努力が足りないと思います。情報に流されず自分で謙虚に研究と実験をしないと味は進化しないと感じます。

美味しいものは、ほとんどの人が美味しいと感じるものです。

飲み手が作り手を鍛えないといけません。

もう春なのに、悲しい気持ちになった評判の良い(と販売会社が自画自賛している)コーヒー豆の試飲会でした。

 

今回は話がブレブレでしたが、最後までお読みいただきありがとうございます。